鎌倉・企久太|鎌倉の鮮魚を味わう、予約困難の名店。散策の締めに小町を一本入ル

とある用事にて鎌倉を訪れることが多くなった。
鎌倉と聞いて思い浮かべるは、あじさい・大仏・観光地。関西から引越し、23区内を出たことのない私にはそこまで馴染みはなかったが、10年も経った今はさすがに鎌倉・良き街であることはおおよそわかってきた。

この日は義父・義母・主人の4人でドアをたたく。
というかここ最近のこのブログの投稿が、この4人で伺った食事処に増えつつあるところが面白い。
昔は主人と二人で名店を探すやいざいかんと週末を費やして来、今となっては家族で向かう。そうすると私の考えの及ばない名店に出会うことができる。
無論、私より年嵩、人生と酒の師匠の義父義母と共すれば、知識は増え舌は肥える。要は甘えてばかりいるということだ。


まずはお通し。来ましたしらす、生しらす。小ネギにしょうが、手絞りかぼすのポン酢でじゅるりといただく。
ほのかな塩見と苦味が嬉しい、大人のお味。今日もありがとうございます、まごうことなき名店ですとお礼申しあげる。


お次に登壇したのは活ひらめ刺身。箸でつまみ上げた瞬間の跳ね返すような弾力が、こいつが口の中でどう暴れまわるのか想像を掻き立てる。
ササッと手をのばす4人衆。皿がからになるのが早い早い。
思った通りの新鮮な白身の反発力。グイグイと歯を押し返してくる。しっかり噛みごたえのある活ひらめさん、生きていた時も相当器量よしだったに違いない。


お次は黒ムツのお刺身。
さっと皮目を湯で通し、ぷりんと翻った身が活き活きとして美味しそうでしょう?
一口食べて期待通り、コリコリと口の中をノックされるようだ。


趣向を変えて肴に徹する、あかいか海苔わさび。ここで義父義母は日本酒に転向、くぅぅ私も酒に強ければ即座に手を出そうもの…無念である。
しかしこれが箸が止まらない。刺し身間の箸休めと思いきや持って行ってしまう。酒を盗む酒盗というなればこやつもそうであろうに。

おもに刺し身が好きな私はこの後2品ほど他の刺し身を注文。
加えて揚げ物とを頂戴する運びになり、ここは主人がセレクト。これがナイスセレクトだばかやろう。
油の乗った、だれもが大好き鯖の唐揚げ。


もうもう元来の塩味と衣の香ばしいカリッとパリッと薄揚げな感じがビールを止めさせてくれない!あれよあれよというまに、また皿がからになるときた。中学生じゃないんだから。

酒も進み食も進み、なんとも素晴らしい店に来たなあと周りを見渡す。カップル、スポーツ帰りのおじさま連れ、家族、なんとも幅の広い客層だ。早い時間から満卓にもなるし、今日は予約してくれた義父ちゃんありがとう。
そうこうしている内に、隣の宅が帰り支度。その他のテーブルは〆に入っている模様。
テーブルを見るとそこかしこに赤いお椀。これはいかない手はないぞと、給仕さんに同じものをくださいと発注。


なんだって??これは葉山牛すじの辛味噌煮。大ぶりのお椀にもっさり盛られ、それをこの味噌汁椀に取り分けていただく。
ホロリホロリと崩れるお肉。しっかりと味の染みた豆腐と大根。こんにゃくも憎たらしいほどしっかりと味が付いている。
うまいようまいよ、どれもこれもうまい。

これはもう来てよかった、満腹でなければまだいたい!
また鎌倉には来るだろうから、ここでひとつやりましょう。

予約必須のようです!頑張って電話してくださいね。

鎌倉|企久太
0467-24-5432